行政書士試験は独学で合格できるのか?

行政書士試験
farmamaによるPixabayからの画像

 答えは、『できる』となります。ただし、自己管理がしっかりと出来て、コツコツと勉強に打ち込める人でなければなりません。私は4回目の試験で合格することができました。独学で合格するまでを簡単に振り返ってみたいと思います。

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初めての試験

はじめての受験

  2015年(平成27年)、私は初めて行政書士試験を受けることになります。大学を卒業した私は今後の進むべき道を考えるようになりました。せっかく学んだ法律の知識を活かせてかつ今後の人生設計にも役立つ資格とは・・。自分なりに考え、司法書士試験にチャレンジすることに決めました。

 司法書士試験概要等については超難関の国家試験であることは皆さんもご存じの事と思います。私は、某資格学校の通信教育を申し込みました。膨大なテキスト及び講義動画とそれを進めるスケジュールについてゆくことができませんでした。これは決して理解できないのではなく、どちらかと言えばその学習の量とスピードについていけなかったと理解しています。通教の学習でついてある程度自信はあったのですが非常に悔しい思いをしました(金銭的にも大ダメージを受けました)。実はその時に、憲法、民法、商法、会社法の科目が重なっているということで行政書士も受験の申し込みをしていました。結局、その翌年(2016年)も司法書士及び行政書士の試験をW受験することになります。

 7月の司法書士試験の終了後、行政法や個人情報等その他を一通り学習して初めての試験に臨みましたが言うまでもなくひどい結果となりました。単なる記念受験程度です。この時の結果通知が見当たらないので点数もわかりませんが・・・。

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2回目と3回目の受験

2,3回目合否結果通知

  2回目、同じくW受験の時です、初めてのときよりは勉強したのですが、やはりそれはそれ、絶対的な理解度と知識量が不足していることと、この試験の怖さを知った年でした。法令等小計96点(記述※※)、一般知識等20点、総得点116点。これが2回目の結果です。

 法令等の得点が低すぎるのはさておいて、一般知識で足切りとなり、記述が採点されてません。この時は記述が結構書けたのでどの程度の配点があるのか知りたかったので残念でした。また、どれほど得点を伸ばせても足切りとなると・・・。一般知識は文章理解と個人情報等でしか対策が立てにくく、非常に怖さを感じました。

 3回目、司法書士受験は予定してたのですが、会社の配置転換で新部署に異動の内示を受けました。赴任準備と受験日が重なり司法書士試験の受験をあきらめました。ただ、行政書士は11月なので、そのころには仕事も落ち着いているだろうと思い受験予定としました。

 行政書士試験一本に絞ったことで、もう一度基本に戻るべく、試験に受かるために必要な理解と知識を確認しました。具体的には、過去の試験で問われた問題の答えが自分が使うテキスト(市販)に出ているのかです。つまり、テキストの理解と知識で試験の答えが導き出せるのかということです。

 結果、行政書士試験合格レベルの解答は十分に導き出せるものでした。私は、その年の6月以降は基本テキストと過去問題集(択一及び記述)を繰り返すことにしました。それまでは一通りやり終えると異なるテキストや問題集などが気になり、つい手を出してしまうことがありましたが、テキストは一つ、問題集は二つ(択一と記述)だけとし、とにかくテキストの内容はすべて覚えるというような感覚で勉強に取り組むことにしました。

 法令等132点(記述14点)、一般知識等32点、総得点164点。これが3回目の結果です。

 試験を終えた時、択一は自分なりにできた感覚はありました。ただ、記述の出来は悪かったので、部分点がどのように配転されるのかが非常に気になっていました。自宅で解答速報を確認し、合格総得点の180点以上までは、記述の点数で30点必要と分かり、甘めに見ても合格点には届かないないことが分かり、落ちたことを確信しました。

 3回やってもダメ。このまま続けるのか・・・。家族をはじめ、自分なりにもいろいろ犠牲にしてきたのに・・・。また、一年・・。長い、苦しい、心のダメージは予想より大きく深く、挑戦する勇気が出てきませんでした。

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4回目の受験、最後の勝負! 

最後の基本テキスト

合格革命 行政書士 基本テキスト 2024年度  

 3回目の試験のあと、よく考えました。受かるまでするのか、やめるのか、なぜ挑戦しないのか、怖いのか。自分なりに答えを導きました。今後の人生設計のために必要だ、そもそも簡単な試験ではない、あと少しだったじゃないか。不合格を確信した2ヶ月後、2018年の年始に行政書士試験へ向け再スタートを切りました。

 最後の年となった勉強の進め方は、①基本テキストは一冊、②問題集も各一冊(択一、記述)、③あまりにも無理をしない、です。初めの二つは先ほどの説明の通り、とにかくテキストの内容を徹底的に覚えるためです。最後のあまりにも無理しないとは、やはり自分を追い込みすぎると不合格のときにダメージが大きすぎて次へのスタートの活力がわかないと感じたからです。勉強のストレスを上手く解消しながら、楽しく好きなことを続けるような感覚の勉強スタイルが望ましいと思います。

 年始から勉強をはじめたので、受験日までの学習期間としては一番長くなりました。ただ、それまでに学習した知識もあり、ペースとしては悪くなかったと思います。当時は、仕事が繁忙で勉強時間の確保が難しかったのですが、早朝や隙間時間、夜は1時間だけとか、それなりにモチベーションを保てる範囲で学習を続けました。その年の方針にあげたように、『あまりにも無理をしない』です。

 7~10月、有名資格学校の模試を自宅で6回実施しました。結果的には3勝3敗でした。180点に届かなかったときは、択一ではひっかけ(行政法が多い)にはまり、記述では問題を読んで瞬時に解答を正確に書けない(部分点へ結びつかない)、一般知識で足切りになる、などこれまでの不合格の要素が並びました。ただ、悲観しすぎてもダメなので、とにかく『間違いは復習』を繰り返していました。

 当日の試験会場は、例年同様の光景が広がっていました。多くの人がテキストや問題集を確認し、最後の最後まで試験対策をされていました。過去の経験上、会場でテキストなどを見てもまったく頭に入らなかったので、特には何もせず、どちらかといえば瞑想して試験に集中するべく脳を休めていました。試験は見直しもできる程度の時間で模試と同じように終了しました。帰りの道中、今回の試験は問題をしっかりと捉えて解答したような気がしてました。要するに『答えが分かった、迷いが少なかった』と感じていました。

 自宅で解答速報を確認し、択一だけで180点以上となならないものの、記述の配点が14点以上あれば合格の180点以上に達することが分かりました。速報の記述解答例を何校か確認し、自分なりの部分点をはじくと200点ほどになると予想できました。その後、資格学校の無料採点サービスに申し込み採点を受け、そこでも合格点に達することが示されました。その時に、ほぼ合格できたと感じることができました。

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受験を終えて

合格証

 翌年の1月末に合格通知、2月中旬に合格証が届きました。これにて、私の行政書士試験の受験生活は終了となりました。私が挑んだ勝負に勝つことができました。すごく長く苦しいストレスに耐えて、もう一人の弱い自分に勝ったのだと思います。

 この試験は、決して安易に臨んでは受かりません。また、運の要素も大きいと思います。ただ、勉強の方法を間違えずにコツコツと続けられるなら、非常に高い確率で合格レベルに達すると思います。私のような凡人でも、根気よく、粘り強く、真摯に勉強すれば合格できたのですから・・・。

 皆さんは様々なきっかけで行政書士試験の合格を目指して走られているかと思いますが、それぞれの境遇が違うように、そのゴールまでの距離は人により様々です。ですが、試験の合格というゴールは同じです。

 合格後、今後の人生設計の幅が広がりました。会社員としての自分、それ以外の自分も想像できる。これは私にとって非常に大きな財産となりました。皆さんのゴールの向こうには、何が見えるのでしょうか?

『偉大な栄光とは失敗しないことではない。失敗するたびに立ち上がることにある』(ラルフ・ワルド・エマーソン1803~1882アメリカの思想家、哲学者、詩人)

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