こんにちは、BONです。
34年間の会社員生活に区切りをつけ、現在は行政書士として独立開業しつつ、新たな働き方に挑戦する50代です。私のキャリアの大きな転機となったのが、30代半ばで決断した「中央大学法学部通信教育課程(中大通教)」への入学でした。
ネットを検索すると、中大通教に関しては「レポートが通らない」「卒業率が数パーセントで挫折する」といった、過酷な情報ばかりが目につきます。確かに、仕事と両立しながらの孤独な法律学習は、決して楽な道ではありません。
しかし、通教のレポートには「教授が読みたい明確な型(パターン)」が存在します。
これに気づいてから、私のレポート評価は劇的に変わり、安定して「評価A」を連発できるようになりました。今回は、社会人だからこそ今すぐ実践できる「論理的な法律レポートの書き方」のすべてを包み隠さず公開します!
なぜレポートは落とされるのか?不合格になる最大の理由
多くの通教生(真面目に取り組む人ほど)がやってしまいがちな、一発アウトの書き方があります。それが「教科書の丸写し(要約)」と「単なる個人の感想文」です。私も、最初の頃は、いつの間にかそうなっていたのかもしれません。
法律のレポートで求められているのは、あなたの読書感想文でもなければ、教科書のコピーでもありません。
- 教授が求めているもの: 与えられた問い(事例)に対して、「法律(条文)」と「最高裁の考え方(判例)」を使って、論理的に筋道を立てて答えを導き出すプロセス
この「プロセス」を文章に落とし込むための絶対的なフレームワーク(型)が、次に紹介する「IRAC(アイラック)」です。
評価Aを量産する魔法のフレームワーク「IRAC」とは?
私がレポートを書くときに、常に机の前に貼って意識していた文章構成がこれです。法学部における論文・レポートの基準とも言える型になります。
I (Issue):問題提起 「〜〜という状況において、◯◯の成否が問題となる」と、何が論点なのかを最初にズバッと提示する。
R (Rule):規範定立 その問題を解決するために、ベースとなる「条文(◯条)」や「主要な判例」を引っ張ってくる。
A (Application):あてはめ(★ここが最重要!) 用意したルール(条文・判例)に、今回の具体的な事実をカチッと当てはめて分析する。
C (Conclusion):結論 「したがって、〜〜である」と、最初の問いに対する明確な答えを1〜2行で締めくくる。
この順番通りに段落を分けて文章を組み立てるだけで、誰が読んでも「お、この学生は法的思考(リーガルマインド)ができているな」と思わせるプロの論文に化けます。
社会人の経験値は「あてはめ(Application)」で爆発する
実は、現役の学生よりも、様々なビジネスや現場を経験してきた社会人学生の方が圧倒的に有利なパートがあります。それがIRACの「A(あてはめ)」です。
問題提起が確りとできれば、「条文」や「判例」を綺麗に書き写す(Rのパート)までは、ある程度スムーズに進むのではないでしょうか。差がつくのは、「なぜその条文が今回のケースに当てはまるのか」を具体的に泥臭く論じる部分です。
契約トラブル、組織のルール、世の中の理不尽な交渉ごと……これまで社会で見てきたリアルな感覚をベースに、問題文の事実に深くツッコミを入れていく作業は、ご自身の社会人経験が生きてきます。
教科書の文字を追うだけでなく、「実社会のリアリティを持って事実を分析する」。これこそが、高評価をもぎ取るための極意です。
【実践編】評価Aを取った実際のレポートで解説!
型(IRAC)の重要性が分かったところで、私が中大通教時代に実際に提出し、評価Aをいただいたレポートを例に、どうやって文章を組み立てていたのかをリアルに解説します。
課題の概要は以下のようなものでした。
【課題の概要】 AとBが喧嘩になり、本気になったAがBの上に馬乗りになって頸部(首)を強く圧迫した。しかし、Bには「心臓肥大」という特殊な体質(特異体質)があり、その場でショック死してしまった。Aは人が死ぬ(傷害致死罪)までの責任を負うべきか?
この難解な事例に対して、私が実際に書いたレポートの構成がこちらです。
① I(Issue):問題提起のパート
レポートの冒頭では、何が法律上の争点(論点)なのかを明確に示します。
Aの「傷害」行為とBの死亡という結果との因果関係が認められ、傷害致死罪の罪責を負うのかどうかが問題となる。
まずは「ここが今回の勝負どころですよ」とレポートの添削者に宣言するわけです。
② R(Rule):規範定立のパート
次に、その問題を解決するための法律のルール(学説や最高裁の考え方)を引っ張ってきます。
レポートでは、単に「条件関係(あれがなければこれなし)」だけで決めてしまうと、あまりにも責任の範囲が広がりすぎてしまう問題点を指摘した上で、「相当因果関係説(経験則上、普通そうなるか?)」というルールを使うべきだと論じました。
③ A(Application):あてはめのパート(★ここが社会人の見せ所!)
ここが最も重要で、文字数を一番割くべき部分です。用意した「ルール」に、今回の「馬乗りで首を絞めた」「被害者が特異体質だった」というリアルな事実を当てはめていきます。
Bを死亡させたのは、Aと乱闘の末、さらに、馬乗りになっての頸部圧迫によるものであり、それに、Bの特異体質があいまってもたらされた結果と考えられる。
ここからさらに、「一般人から見て、その特異体質は見抜けたか?」「首を強く圧迫する行為そのものの危険性はどれくらい大きいか?」を、実社会の感覚を交えながら泥臭く分析していきました。
④ C(Conclusion):結論のパート
最後に、これまでの分析を総括して、ズバッと結論を導き出します。
以上から、Aの傷害行為とBの死亡という結果との因果関係が認められず、よって本問のAは、傷害致死罪(刑法205条)の罪責を負わず、傷害罪(刑法204条)の罪責を負うものと解することができる。
いかがでしょうか?
このように、一見難しそうな法律の議論も、「I ➡️ R ➡️ A ➡️ C」の引き出しにそって文章を整理していくだけで、教授が「うん、論理的だね」と納得するA評価のレポートが出来上がります。
まとめ:型を覚えれば、レポートは「パズル」になる
レポート作成は、センスや才能ではありません。 「問い」に対して、「条文・判例」というピースを用意し、「あてはめ」という手順で組み立てていく知的パズルです。
この型が一度身につくと、レポートの合格率が跳ね上がるだけでなく、のちの「科目試験」の論文対策、さらには行政書士試験の記述式問題を解くときにも、そのまま最強の武器として機能してくれます。
しかし、ここで一つ大きな問題があります。 「型は分かった。でも、レポートを書くための『R(条文や判例の深い知識)』って、大学から配られた薄い教科書(配付教材)だけじゃ全然足りなくないか?」
その通りです。配付教材だけを使ってレポートで高評価を取るのは至難の業です。
次回は、私が中大通教時代にどのような書籍を副教材や参考として使用したか、さらに、それらをどのようにして収集したかをご説明します。お楽しみに!

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